最終回〜 Nステの功罪
“ニュースステーション”という名の“お化け番組”が19年の歴史に幕を閉じました。
「報道番組を変えた」などと評されますが,私個人的には「史上最も権力を誇ったテレビ番組」と言っても過言ではなく,「歴史的なテレビ番組」であり,「ひとつの時代が終わった」と感じています。
「批判してくれた人、ありがとう」=Nステ最終回であいさつ−久米宏さん
1985年10月に始まったテレビ朝日系の報道番組「ニュースステーション」が26日、最終回を迎え、キャスターの久米宏さん(59)は、番組の最後に「厳しい批判、激しい抗議も受けた。中には理由なき批判もたくさんあったが、そういう人が大勢いたからこそ続けられた。ありがとう」などと別れのあいさつをした。
久米さんは「日本の民放は戦後生まれで、国民を戦争に向かってミスリードしたことはない。これからもそういうことがないことを祈っている」とコメント。その上で関係者への感謝の言葉を述べた後、手酌でコップにビールをついで一気飲みし、「お別れです。さようなら」と締めくくった。 (時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040326-00000795-jij-soci
http://www.asahi.com/culture/update/0326/008.html
19年前の私は小学生。
母が久米宏の歯に衣着せぬ言動のファンであったことから,チャンネル権を発動し,平日22:00からは必ずこの番組。
小学生〜中学生の私は,世間の情報をわかりやすいカタチで得るために,欠かさず見ておりました。
当時のNステ金曜版は,ニュース性を下げエンターテイメント性を前面に打ち出しており,特に楽しみにしておりました。
看板であった“金曜チェック”は,私自ら類似品を作成し,友人を楽しませるような愛好ぶりでありました。
バイトをする年齢になってからは,帰宅が遅くなり,視聴機会は減っていきました。
社会に出てから,改めて番組を見てみると・・・ 「?」というキモチが強く湧き上がるのを感じました。
「弱きを助け,強きをくじく」 この報道姿勢は間違っていないと思うのですが,やたら批判ばかり。
“批判”というより,“いじめ”にも似た陰湿な皮肉,こきおろす行為ばかりが目につき,不快感を覚えました。
“弱者を助け”ているつもりが,メディアとして強力になりすぎた番組は,世論を誘導し弱者の立場を強者に転ずることすら可能になり,制作側もそのことを知りながら作っている尊大さみたいなものが見え隠れするのです。
やがてそれらの方針が,大元である“朝日新聞”の方針と同じであることに気付きました。
そう,“アカヒ新聞”などと揶揄される,左寄り中韓寄りの“偏向報道”を実感していたのでありました。
4月5日より始まる後番組は,古舘伊知郎“報道ステーション”。
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/
Nステ最終回で“予告”として放映されたのは,この“報道ステーション”ではなく,よくわからない久米宏の中国語の予告編。
久米と古舘の確執を表すのか,中国寄りの自らの報道姿勢をパロディしたものなのか,その真意は汲めなかったのですが,何かすっきりしないものでした。
苦労は多かったでしょう。相当の重圧であったでしょう。そんな19年は長かったでしょう。
番組中にビールを飲んで締め括る行為は見苦しく,褒められたものではありません。
でもまあ,彼の功績(功罪)は相当に大きい。ご苦労様です。